◆2022年の抱負など◆
昨秋、衝撃のニュースが走った。
フェイスブックが社名変更 1兆1400億円投資する「メタバース」はどんな世界なのか
このニュースを見るまで、メタバースって世界がどんなものか、あまり知らなかった私だけど、要するにVRゴーグルで体感する仮想空間のことらしく、いまじゃもう年間2000時間以上も、どっぷり居続けて愉しんでるユーザーがいるんだそうだ。
こりゃまさに、映画『レディ・プレイヤー1』の世界だよねえ。
そこには国家も国境もなく、あるのはただ、何億人というユーザーがアバターで刺激的な体験を愉しむ世界。
この世界一意識の高い元フェイスブックの社長であるマーク・ザッカーバーグは、そんなメタバース世界がどんどん一般化していくと見て、今のうちに先んじることでその利益を得たいと考えているらしい。いやはや、長生きはするもんだよ。
それはともかく、あけましておめでとうございます!
というわけで、今年もビジュアルアーツ馬場社長恒例、『一年の抱負』がやってきました。
いやー、思えば、この年の初めに会社の方針をひとことで表現する抱負ってのも、けっこう続いてるよね。この際、ちょっとふりかえってみよう
2017年 打って出る
2018年 振り返りつつ攻める
2019年 表に出す
2020年 IPビジネスを加速する
2021年 夜明けに走る
ふうむ……こうやって過去5年分の抱負を列挙するだけでも、われわれがずっと前へ前へと走って来たことが分かるってもんだ。
すなわち、ここ数年はPCエンタメやWindowsメディアや、ネットを取り巻く環境が大きな変革を迎えて、われわれPCゲームメーカーもその対応をよぎなくされてきた。でもって、私はこの変革に対して消極策ではなく、自分たちで時代を切り拓くべく、どんどんと前に打って出たわけ。
人口の縮小する国内向けのPCゲームから、全世界への頒布を目的として、海外への積極的なイベント活動や海外向けのSTEAM販売を展開。スマホの時代に対応すべくビジュアルノベルを移植、からのモバイルゲーム開発、さらにはIPビジネスを加速するためにアニメーションへの積極投資、クラウドファンディングを利用しての制作から、劇場版公開まで行ってきた。
いや、だってねえ、いくらWindowsPCゲームが下火でも、ヲタ業界は元気なんだもん。
むしろ、変革期は大きなチャンスなんだもん。
で、この数年、わがビジュアルアーツもずいぶん業容が変わり、拡大しつつあるわけだ。
ここまでやったら、あとはこの路線を継承して進むだけ。
そうさな、さしずめ今年の抱負は『このまま突き進む』とでもやろうか。うん、なんかかっこいいぞ!
……いや、まてまて。
ここまでやってこれたのは自分たちの力だけじゃあない。
新たな課題に取り組んだのはいいが、必要だったのは地続きの技術ばかりじゃなく、ITやコンテンツ制作や、プロモーションや(いずれもスタッフががんばってくれたおかげでもあるけど)なにより各業界の方々や企業さんに助けていただいたおかげなのだ。
たとえば海外展開には各国のイベント団体さんやSEKAI PROJECTさんにご協力いただいたし、アニメはアニプレックスさんやブシロードさんのご助力がないとやってはこれなかった。われわれのもつアニメ・ゲームや音楽、それにグッズ制作なんかのノウハウを生かすには、1社だけでははじまらなかった。
つまり、一介のPCゲームメーカーが、今ではアニメを制作し、大企業との協業で新たなIPを生み、育てることができるのも、すべては他企業のみなさんのおかげなんだよ。だからこそ、われわれはその恩恵に感謝し、持てる総合力=IPの創出力をしっかりとみなさんに還元していかなきゃならない。
よし、そうとわかれば、今年の方針は決まった。
これだ!どんっ!
ビジュアルアーツが目指すのは、世界に通じる優れたIPを創造し、それでもってアニメやモバイルゲームでの収益化を目指すこと。
でも、そのきっかけはいろんな企業や自治体さんとの関わりから生まれていくんだと思う。それでこそ、いろんなニーズを感じ、それに応じたノウハウや対応力を身につけていけるというもんだよね。
それに、一般的なIPコンテンツは、それ自体が鑑賞のエンターテインメントであるけれども、それだけじゃザンネンながら一過性の消費物に終わってしまう。でもIPってのはそんな脆弱なものじゃないと思うんだ。
たとえば特定の地域のイメージアップや、企業への理解を深めることや、クリスマスや成人式みたいな特定の日を記念したりする、長く愛されるコンテンツになる可能性だってあるんだよね。
だからこそ、今年は協業の路線を一層深化させて、そういう意味のあるコンテンツに取り組みたい。
というわけで、今年当社は具体的に以下の4つの方針を推進したい。
1.他企業とのコラボには積極的に取り組もう
2.地方自治体への働きかけもやっていこう
3.作品のテーマをしっかり考えよう
4.開発も協業を視野に入れよう
うん! ざっとこんな感じかな?
■去年をふりかえる
さあて、話しを先に進める前に、ちょっぴり去年の成果を確認しておこう。
いろいろやってきた一年だったけど、その結果はどうだったかな?
まずはKeyの定番となりつつあるキネティックノベルから。
『配信・劇場アニメ planetarian~雪圏球(スノーグローブ)~』
そしてイベントでも頑張った!
4月にはKSL初のオンラインライブもやったし、
■今年はこれをやる
さて、いよいよ今年のビジュアルアーツについて語ろう。
なんと言っても、今年は2月のコレだよね!
それと、上にも書いたけど、うちのオリジナルコンテンツである『偽りのアリス』は、絶好調サービス中! 今年もまだまだ頑張りますよ~。
その他のコンテンツは以下の通り。
ビジュアルノベル | 終のステラ 聖女さまはイケメンよりアンデッドがお好き |
アニメーション | かぎなど2期放映 1期BD版発売 クドわふたーBD版発売 |
音声コンテンツ | 複数のオリジナル作品 |
イベント | character1 KSLライブ |
海外向け | 『Summer Pockets』中国語版 『LOOPERS』英語、中国語版 |
『終のステラ』はかの名作『planetarian』『Harmonia』に続くKeyのロボット三部作の最終作だ。
いずれも人間とロボット(アンドロイド)との幸せな未来を願いながらも、たどり着けなかった儚い想いがテーマなんだよ。シナリオはあの田中ロミオ氏。シンギュラリティを起こし、機械群に支配された世界で、息を潜めて生き抜く人々を描いたSF作品だ。
それから、『聖女様はイケメンよりアンデッドがお好き』は「小説家になろう」さんの中で開催させていただいたキネティックノベル大賞第一回のグランプリに輝いた作品なんだ。
なんたってファンタジー世界はゲームでもアニメでもとっても人気があるジャンルだからね!
新人クリエイターに敬意を表しつつ、あずかった作品をしっかり形にしていきたい。
われわれの目的はズバリ、映像化だよ~
映像化作品、とりわけアニメーションは我々の最終目標でもあるんだ。世界に通じるIPを創出していくにはいろんな入り口があるけれど、最終的にはやっぱアニメーションのシリーズ化だと思うんだな。
というわけで、ビジュアルアーツはアニメにも真剣に取り組んでいるんだけど、今年もしっかりやっていくよ。
大人気『かぎなど』は今年2期に突入する予定だし、それ以外にも、水面下では様々な企画が進行している。
それと、今年はこれにも取り組んでいきたい。
去年にもちょっぴり書いたけど、コンテンツは耳=音声のジャンルが大きな可能性を秘めていて、ずいぶんと一般化もしてきた。今はまだいわゆる「癒し系」の作品が多いけど、それが年間100億円ほどの市場になりつつあるんだ。これまではドラマCDとして販売してきたコンテンツだけど、時代とともにネットから簡単にダウンロードできて、安価で気軽に愉しむものが主流になりつつあるんだよ。
日常系やSFやファンタジーなんか、すそ野を広げてやっていきたいね。
これは去年にも言った通りだ。こういうご時世だからこそイベントにはしっかりと参加していきたい。明けない夜はないし、夜明けには走る覚悟がいる。もちろん安全対策は必要だけど、外に出ることをやめてしまったら人生とは言えないよね。
というわけで、新曲がいっぱい溜まって来てる今年も、KSLをやりたいと思ってる!
関係者に聞いたところだと「character1」もコミ1に間借り的に開催したいらしいし、年末にはきっとコミケもあるだろう。その他にもアニメ系だってやるはずだ。
いつまでも、鬱々とこもってなんかいられないんだよ。
もちろんビジュアルアーツの世界戦略の1つ、海外向け翻訳およびSTEAM販売は、今年も力を入れてやっていくよ。
ただ、これにはちょっぴり問題もあるんだ。
なぜだか中国からのSTEAM接続がBANの傾向にあるらしい。これはいずれ中国独自の販売サイトが出来上がると言う前兆じゃないかな?
だとしても、うちとしては販路をしっかりと見つけ、今後もきっちり取り組んでいくつもりだ。
と言うわけで今年は『Summer Pockets』中国語版、『LOOPERS』英語、中国語版を出す予定。
あと、『LUNARiA』と『planetarian 雪圏球』の海外版はリリースしたいよね。
はっきりしたリリース予定は上記で終わりだけど、そのほかにも水面下で動いているものはたくさんあるよ。
たとえば精密なプラモデルと、美麗なフィギュアで有名なコトブキヤさんとの協業企画『プリマドール』は1月28日に新サイトがオープンするので、ぜひその日に来てみてほしい。このブログでは言えなかった発表が、きっとみなさんを興奮させると思うよ!
あと、Keyのフルプライス新作は、なんとか去年のうちに発表をすませたかったんだけど、けっきょく今年に持ち越してしまった。とはいえ、ちゃんと企画は進行していて、もうちょっとでみなさんにお知らせ出来ると思うんだ。発表はきっと、いつもの……あの時期かな……?
その他、協業で進めてる案件はいくつもあって、Keyと、あるアーティストさんとのコラボで制作しているアニメとか、出版社さんとのコラボで制作を始めるコミックとか、はたまたとある全国チェーンの企業さんとか、いろいろやっておりますよ、と。
というわけで、今年もビジュアルアーツはしっかりやってまいります!
みんな、ヨロシクね~~(^^)/(古
補記1
当社の社業は世界に通用するIPを創り、育てることにある。それを目指しているかぎり、いずれはアニメやモバイルゲームで巨大なスマッシュヒットを打つことが出来るだろう。この予感はますます確信になってきたが、そのためには他の企業さんや自治体さんとの協力が不可欠である。つまり、企業さんや自治体さんとのコラボは大歓迎なので、どうぞお声がけをいただきたい。
補記2
今年、いよいよE-product関連の商材は別会社をたてて切り離そうと思う。それが時代の趨勢だからだ。
補記3
当社のデジタルコンテンツはいわばプレタポルテ(市販品)だけれども、リフレクションアートの人気を見るにオートクチュール(特注品)的な展開にも需要があるように感じている。いわゆるアートに近いものだが、NFTを利用すればもっと面白い作品がつくれるんではなかろうか。いろいろ試していきたい。
補記4
それにしてもアニメーション制作は入口も出口もあるのに、進行をやる幹事会社が不足している。もちろんうちがやることも不可能ではないが、あいにく声優さんやアニメーターさんらへのリスペクトが高すぎてコントロールがしづらい。率直に言うと、幹事さん募集。……いかんなあ、いつまでたっても、おこちゃまなんだから。これじゃメタバースどころか、代打バースである。
(文責:VISUAL ARTS/vavaしゃちょー)
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